川崎市議会 2012-08-01
平成24年 8月市民委員会-08月01日-01号
○為
谷義隆 委員長 ただいまから
市民委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元に配付のとおりです。
傍聴の申し出がございますので、許可することに御異議ありませんでしょうか。
( 異議なし )
○為
谷義隆 委員長 それでは、傍聴を許可いたします。
(
傍聴者入室 )
○為
谷義隆 委員長 初めに、市民・
こども局関係の「陳情第62号 (仮称)『
人権救済機関設置法案』に反対の
意見書の提出を求める陳情」を議題といたします。
それではまず、事務局から陳情文について朗読をさせます。
◎柴田 書記 (陳情第62号朗読)
○為
谷義隆 委員長 次に、理事者の方、説明をお願いいたします。
◎山﨑 市民・
こども局長 おはようございます。それでは「陳情第62号 (仮称)『
人権救済機関設置法案』に反対の
意見書の提出を求める陳情」につきまして、人権・
男女共同参画室担当課長の石川から説明させていただきますのでよろしくお願いいたします。
◎石川 人権・
男女共同参画室担当課長 それでは、陳情第62号について御説明させていただきます。
初めに資料の確認をさせていただきます。
市民委員会資料①をごらんください。資料1は、新たな
人権救済機関の設置について(
基本方針)でございます。資料2は、
人権委員会の設置等に関する検討中の法案の概要でございます。資料は以上でございますが、よろしいでしょうか。
それでは、資料1の新たな
人権救済機関の設置について(
基本方針)をごらんください。この
基本方針は、法務省が新たな
人権救済機関の設置について、今後の検討の
方向性等について取りまとめ、平成23年8月に公表したものでございます。
1ページをごらんください。1の法案の名称におきましては、
人権擁護に関する施策を総合的に推進するとともに、
人権侵害による被害に対する救済・予防等のために
人権救済機関を設置すること、その
救済手続等を定めることなど、法案の内容を端的に示す名称とするものとするとしております。
次に、2の
人権救済機関(
人権委員会)の設置におきましては、政府からの独立性を有し、
パリ原則に適合する組織とするため、
国家行政組織法第3条第2項の規定に基づき、
人権委員会を設置する。新制度の速やかな発足及び
現行制度からの円滑な移行を図るため、
人権委員会は、法務省に設置するとしております。
次に、3の
人権委員会におきましては、我が国における
人権侵害に対する救済・予防、
人権啓発のほか、国民の
人権擁護に関する施策を総合的に推進し、政府に対して国内の
人権状況に関する意見を提出すること等をその任務とする。また、
委員長及び委員の選任について
国会同意人事とするとしております。
次に、4の
地方組織におきましては、現在の
人権擁護事務を担っている全国の法務局・
地方法務局及びその支局を国民の
アクセスポイントとすることや、次のページに参りまして、
全国所要の地に
事務局職員を配置し、同委員会の任務を実現するための諸活動を行わせるとしております。
次に、5の
人権擁護委員におきましては、既存の委員及びその組織体を活用し、候補者の資格や委員の給与に関する規定は現行のまま、新制度に移行するとしております。
次に、6の
報道関係条項におきましては、特段の規定を設けないこととするとしております。
次に、7の
特別調査におきましては、任意の調査に一本化し、
調査拒否に対する過料等の制裁に関する規定は置かないこととするとしております。
次に、8の
救済措置におきましては、調停・仲裁を広く利用可能なものとし、
訴訟参加及び
差止請求訴訟の提起については、当面、その導入をしないこととするとしております。
最後に、9のその他におきましては、
制度発足後5年の実績を踏まえて、必要な見直しをすることとしております。
以上が、新たな
人権救済機関の設置について(
基本方針)でございます。
続きまして、資料2の
人権委員会の設置等に関する検討中の法案の概要をごらんください。これは、ただいま御説明いたしました資料1の
基本方針を公表した後の検討結果を取りまとめ、検討中の法案の概要として、平成23年12月に法務省が公表したものでございます。
資料1の
基本方針に新たに追加された主な部分を御説明いたします。
1ページをごらんください。法案は、新たな
人権救済機関として、政府からの独立性を有する
人権委員会を設置し、
当該委員会の組織・権限及び
調査手続その他必要な事項を定めるとしておりまして、2の
総則関係におきましては、法の目的や
調査手続の対象となる
人権侵害等の禁止及び国の責務を定義することとしております。
次に、2ページをごらんください。3の
人権委員会の組織におきましては、事務局を設置し、事務局に
弁護士資格を有する職員を配置することや、事務局の事務を
法務局長、
地方法務局長に委任することとしております。
次に、4の調査・措置の手続におきましては、
人権委員会が行うことのできる
救済措置として、
調査開始後いつでも行うことができる援助、調整から、当事者の意向を踏まえた解決のための調停、仲裁までとしております。
次に、3ページをごらんください。5の
人権擁護委員におきましては、
委嘱権者、
指揮監督権者を
法務大臣から
人権委員会に改めることや、非常勤の
国家公務員と位置づけること、
市町村長の推薦による委嘱とは別の、補充的な
委嘱制度として
特例委嘱制度を創設すること、
人権擁護委員の組織体に関する規定を整備することとしております。以上が、
人権委員会の設置等に関する検討中の法案の概要でございます。
以上で、説明を終わらせていただきます。
○為
谷義隆 委員長 説明は以上のとおりです。これより質疑に入ります。意見・要望もあわせて発言をお願いいたします。
◆
猪股美恵 委員 これは今、国会のほうで法案を提出するというような動きがある中で、今の段階ではまだ出されていないということで確認していいですか。
◎石川 人権・
男女共同参画室担当課長 ただいまの御質問ですけれども、
横浜地方法務局に確認したところ、そういった動きは今のところ聞いていないということでございます。
◆
猪股美恵 委員 大分前から出す動きというのが見え隠れしているんだけれども、確認した中で、そういう動きがないという理由は何なのか確認されていますか。
◎石川 人権・
男女共同参画室担当課長 川崎支局を通しまして、
横浜地方法務局に確認をしたんですけれども、一切そういう情報が入ってこないということで回答をいただいております。
◆
猪股美恵 委員 今のことでいえば、何を質問してもまだまだ答えてもらえるような様子ではないし、様子を見る必要があるなというふうには思うんですけれども、ただ、この出されてきている中で、現在の地方自治体なんかでの
人権擁護委員というのをそのまま存続させるという体系は今示されているわけですけれども、1つそこで聞きたいんですけれども、現在の
人権擁護委員の
選考基準というのが、毎回出される中で、人格高潔、
人格識見を備えた者ということが条件となっているようなんですけれども、人格が高潔だとか、
人格識見を備えるといった場合、
川崎市民全員が私はこれに該当すると思うんです。高潔な人たちですから。だから、その中で選んでいく理由をいつもどういうふうに考えておられるのか。なぜこれを聞くかというと、地方の一番身近なところでの
人権擁護委員という方たちが、今後残っていく中でいろんな
問題解決の糸口をそこがつかんでいくことに、今までもそうだし、これからもそうなるだろうと思うときに、どういう人たちを選んでいるのかということを、やっぱり問題として考えていかなくてはいけないんじゃないかと思っているんです。その辺で、選考するときの基準を教えてもらえますか。
◎石川 人権・
男女共同参画室担当課長 川崎市における
人権擁護委員候補者の推薦の手続ですけれども、基本的には
横浜地方法務局長から推薦についての依頼が参りまして、それを受けて、市民・
こども局長から各
区役所区長に候補者の推薦についての依頼をいたします。各区では、
人権擁護委員法の規定に基づきまして、ただいま委員がおっしゃられたように、
人権擁護に理解があって、あるいは中立公正の立場を堅持してもらえる方で、地域の実情に精通している方を適任者としまして、内部で検討いたしまして、
委員候補者の内諾を得た上で、市民・
こども局に推薦をいただき、それを市民・
こども局で受けまして、内部的に内容をチェックいたしまして、議会の
同意案件として出しているところでございます。
◆
猪股美恵 委員 川崎の市民を人権に対しての識見があるとかないとか、人格が高潔か高潔でないかというようなことは、基本的にははかれないことだろうとまずは思うんですね。だれが高潔でないのか、だれが高潔なのかというのは、だれがそういうものをはかるのかということも含めてできないはずです。そうなってきたときに、残るのは今おっしゃったように、地域の実情に精通した人というふうな形が基準になってくるんだろうと思うんですが、そこの部分が本当に地域に精通していれば人権問題に精通しているのかということではないだろうと思うんです。そこをもう少し、今までのあり方というのを検討していく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、どうなんですか。
◎横山 人権・
男女共同参画室長 人権擁護委員の活動としては、地域においていろいろ
人権啓発を行っております。あと、各区において
人権相談をお受けして、各学校に回って、今問題になっている
いじめ等につきましても、啓発等も行っているといったことから、各区から候補者を出していただいておりますが、当然地域の方の御意見を踏まえて区からお出ししていただいて、なおかつ議会のほうでもお諮りして同意を得て、法務省に推薦を上げていくという状況でございます。どういう方が
人権擁護委員としてふさわしいのか、そこは地域のほうともよく協議をしながら検討していきたいと考えております。
◆
猪股美恵 委員 区役所に依頼をして、区役所の中でその
検討委員会か何かが設けられるんですか。
◎横山 人権・
男女共同参画室長 特に区のほうで選出する
選考委員会等は設けておりません。地域のほうから御推薦をいただいているということでございます。
◆
猪股美恵 委員 新しく入ってきた住民なんかにとっては、地域のボス的な人がなりがちである中で、なかなかそこに相談に行きづらいというようなことも一方ではあるわけなんですね。だから、その辺は今後なんですけれども、もう少し区役所の中で第三者的な
検討委員会みたいなものとか、そういう形をもう少しとりながら検討して、本当に人権に識見のある方なのかどうかというのを、もちろん議会に諮られてくるんですけれども、議会に諮るときには二、三日前で、その中で、議員にその人がどうなのかという調査を、リサーチしろといっても、私もリサーチするんだけれども、たまにはひっかかる人もいるけれども、なかなか時間的にリサーチすることは難しいので、もう少し地域の、依頼をされた区役所のところでの検討を手厚くしてほしいと申し上げておきたいと思います。
先ほどから意見がないので、
取り扱いに入っていいのかしら。
○為
谷義隆 委員長 ほかの委員の皆様、この陳情に関して御意見等がもしないようでしたら、
取り扱いに行きたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
( 異議なし )
○為
谷義隆 委員長 猪股委員、よろしいですか。
◆
猪股美恵 委員 じゃ、皆さんに聞いてからでいいです。
○為
谷義隆 委員長 それでは、
取り扱いに入りたいと思いますが、本件は国に対して
意見書の提出を願うものでございますので、この点も含めて御発言をお願いいたします。
◆
石田康博 委員 では、
取り扱いということですので、
人権委員会の設置などについては、今国のほうで現在も検討中とのことですし、国民的な議論もなく、時期尚早だというような声も聞かれていますので、国でしっかり十分な議論をしていただきながら、国の動向を我々もしっかり見せていただく必要があるということで、今回の陳情については継続でお願いをいたします。
◆
花輪孝一 委員 私どもも全くと言っていいほど同じ観点なんですが、ただ、
人権そのものは非常に大事であるし、先ほど来やりとりがありましたけれども、本当に身近な区における
相談機能等々は充実させていく必要がある。これはまさに、要望的なものになってしまうんですが、そういう形でぜひお願いしたい。とにかく国のほうでまだ具体的に、こちらのほうでは数千人規模のというふうに書いてあるんですけれども、まだ内容等も読めませんので、これは継続的に見守ってまいりたいということで、継続でお願いしたいと思います。
◆添田勝 委員 私どもも結論から言えば継続です。やはり国会のほうでまだ審議中ということもありますし、多分
小泉政権のときからこれは言われ始めていて、いまだ方向性といいましょうか、まだ生煮えの段階だから、様子を地方としては見ざるを得ないというような気もするので、継続でお願いします。
◆
斉藤隆司 委員 その前に1つだけお聞きしたいんですが、新たな組織をつくる、
人権救済機関をつくるということなんですが、陳情の中にもありますが、いろんな制度がある中で、こういう新たな動きというのはどういう背景で出てきたんでしょうか。国の考えだとは思うんですが、その辺がわかりましたら教えてください。
◎石川 人権・
男女共同参画室担当課長 私から少し経過を御説明させていただきます。平成8年に
人権擁護施策推進法が成立いたしまして、翌9年に
人権擁護推進審議会が設置されまして、
法務大臣から、人権が侵害された場合における被害者の救済に関する施策の充実に関する
基本的事項について諮問がありました。その諮問を受けまして、平成13年にこの審議会が、
人権救済制度のあり方についての答申をしております。これを受けまして、平成14年、当時の
小泉内閣が、この
人権擁護法案を国会に提出したのですけれども、3期連続審議されましたが結局は成立せず、そのまま廃案となりました。その後、当時の野党の民主党からやはり同じような法案が出たのですけれども、これも、いわゆる
郵政解散で
審議未了ということでそのまま廃案。その後については、一切法案は提出されておりません。現在は政務三役の
中間報告ですとか、
基本方針とか、法案の概要が出ているということでございます。
◆
斉藤隆司 委員 ということは、動きがとまっていると言ったらおかしいかもしれませんけれども、余り動きがないような気がするんですが、そういう考えでよろしいんでしょうか。
◎石川 人権・
男女共同参画室担当課長 委員がおっしゃるとおり、今のところ、法務局に確認したところでも動きがないということでございますので、その辺の推移を見守っているところでございます。
◆
斉藤隆司 委員 わかりました。私どもも国の動きがないということですので、今後の推移を見たいと思います。継続ということでお願いします。
◆
小田理恵子 委員 私も、まだ具体的な国の動きもなく、内容についても判断できないということで、継続でお願いしたいと思います。ただ、人権という非常に重い話になりますので、動向をしっかり見ていきたいとは思っております。
◆
猪股美恵 委員 私は、この陳情の内容についてはそのとおりだと思うところもあります。これに加えて、やっぱり
警察権力との関係だとか、時の
国家権力との関係みたいなものとか、まだまだ危惧されるような問題もあるんですけれども、今のところ動きとして見えてきていないという中で、これに対しての意見を出していくというのも何かおかしな話だなと思いますので、また出てきたときに委員会の中で審査されればいいかと思いますので、継続で結構です。
○為
谷義隆 委員長 それでは、全会派、全委員の皆様、継続という御意見でございますので、継続ということでよろしいですか。
意見書に関しても同様に継続ということで、議会局、よろしいんでしょうか。
◎柴田 書記 現在、全会派から陳情の
取り扱いにつきまして継続という御発言があり、その説明の中では、
意見書提出には至らないという趣旨での御発言だったかと存じますので、
意見書については提出しないということで確認がとれたということを
委員長から確認していただければと存じます。
○為
谷義隆 委員長 それでは、確認いたします。
意見書を提出することにつきましては、
全会一致となることが条件でございます。今回の場合は
全会一致とならないようですので、
意見書の提出には至らないということで御了承願います。
次に、陳情の
取り扱いに入らせていただきたいと思います。「陳情第62号 (仮称)
人権救済機関設置法案に反対の
意見書の提出を求める陳情」につきましては、
継続審査とすることに御異議ございませんでしょうか。
( 異議なし )
○為
谷義隆 委員長 それでは、本件は
継続審査といたします。
傍聴の皆様、審査は以上のとおりでございますので、一度出られる方はこちらで御退席ください。
(
傍聴者退室 )
───────────────────────────
○為
谷義隆 委員長 次に、市民・
こども局関係の「陳情第67号 『
慰安婦』問題について国が誠実な対応をすることを求めるために
川崎市議会で
意見書を採択し、政府に提出することを求める陳情」を議題といたします。
それではまず、事務局から陳情文について朗読をさせます。
◎柴田 書記 (陳情第67号朗読)
○為
谷義隆 委員長 次に、理事者の方、説明をお願いいたします。
◎山﨑 市民・
こども局長 それでは「陳情第67号 『
慰安婦』問題について国が誠実な対応をすることを求めるために
川崎市議会で
意見書を採択し、政府に提出することを求める陳情」につきまして、人権・
男女共同参画室担当課長の松井から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
◎松井 人権・
男女共同参画室担当課長 それでは、陳情第67号につきまして御説明させていただきます。
初めに、資料の確認をさせていただきます。
市民委員会資料②をごらんください。資料1は、
慰安婦関係調査結果発表に関する
河野内閣官房長官談話でございます。資料2は、
慰安婦問題に対する
日本政府のこれまでの施策でございます。資料3は、
日韓首脳会談(概要)でございます。資料は以上でございますが、よろしいでしょうか。
それでは、
市民委員会資料②の1、
慰安婦関係調査結果発表に関する
河野内閣官房長官談話をごらんください。
慰安婦問題につきまして、政府が平成3年から進めてきた調査結果の発表に関する談話でございます。
慰安婦関係調査結果発表に関する
河野内閣官房長官談話、平成5年8月4日、いわゆる
従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの
慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び
慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。
慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、
本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。
なお、戦地に移送された
慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、
朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の
朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて
本人たちの意思に反して行われた。
いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる
従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者の御意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、
歴史研究、
歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。なお、本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。以上が、
慰安婦関係調査結果発表に関する
河野内閣官房長官談話でございます。
次に資料2、平成23年8月に外務省が取りまとめました
慰安婦問題に対する
日本政府のこれまでの施策をごらんいただきたいと思います。
資料1の談話にありましたように、
日本政府は、
慰安婦問題に関して平成3年12月以降行いました調査結果を踏まえまして、資料2の2段落目でございますが、
慰安婦問題が、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であることから、
日本政府及び国民のお詫びと反省の気持ちをいかなる形であらわすかにつき国民的な議論を行った結果、平成7年7月19日、元
慰安婦の方々に対する償いの事業などを行うことを目的に
財団法人「女性のための
アジア平和国民基金」(略称:「
アジア女性基金」)が設立されました。
日本政府としても、この問題に対する道義的な責任を果たすという観点から、同年8月、
アジア女性基金の事業に対して必要な協力を行うとの
閣議了解を行い、
アジア女性基金が所期の目的を達成できるように、その
運営経費の全額を負担し、
募金活動に全面的に協力するとともに、その事業に必要な資金の
拠出等アジア女性基金事業の推進に協力を行ってきたとしております。
1ページ後段の1、
アジア女性基金への協力についてでございますが、次のページをお開きください。
施策の実施に当たりましては、
各国ごとの実情に応じて行っておりまして、元
慰安婦の認定を行っている(1)のフィリピン、韓国、台湾におきましては、既に高齢である元
慰安婦個々人の意思を尊重し、事業を受け入れたいとの意思を表す方がいれば事業を実施するとの
基本方針のもと、(ア)の
日本政府を代表し、この問題に改めておわびと反省の気持ちをあらわす
内閣総理大臣の手紙が元
慰安婦の方々に届けられ、(イ)国民的な償い事業としまして、元
慰安婦の方々に対し、国民の募金を原資として日本国民の償いの気持ちを表す償い金、1人当たり200万円をお渡ししております。
次のページをお開きください。(ウ)政府資金による医療・福祉支援事業といたしまして、
日本政府は、道義的責任を果す事業の一つとして、韓国、フィリピン、台湾における元
慰安婦の方々に対する
アジア女性基金による医療・福祉支援事業に対して、5年間で総額約7億円規模(最終的な事業実施総額は5億1,200万円)の財政支出を行っております。本事業の内容は、住宅改善、介護サービス、医療、医薬品補助等であるが、元
慰安婦の方々の置かれている実情に沿うものとすべく、相手国政府、さらには関係団体等とも協議の上で実施してきたとなっております。
(2)のインドネシアにおきましては、インドネシア政府が、元
慰安婦の特定が困難である等としていることから、元
慰安婦個人を対象とした事業ではなく、同国政府から提案のあった高齢者社会福祉推進事業に対し、
日本政府からの拠出金を原資として支援を行うこととし、平成9年3月25日に
アジア女性基金とインドネシア政府との間で覚書が交わされております。
(3)のオランダにおきましては、元
慰安婦の方々の認定が行われていないことを踏まえ、
日本政府は、
アジア女性基金とともに、日本国民の償いの気持ちをあらわすためにいかなる事業を行うのがふさわしいかにつきオランダ側の関係者と協議・検討し、その結果、平成10年7月15日、
アジア女性基金とオランダ事業実施委員会との間で覚書が交わされ、
慰安婦問題に関し、さきの大戦中心身にわたり癒しがたい傷を受けた方々の生活状況の改善を支援するための事業を同委員会が実施することとなっております。
また、2の女性の名誉と尊厳にかかわる今日的な問題への積極的な取り組みとしまして、
日本政府は、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性問題を解決すべく積極的に取り組んでいくことも、将来に向けた日本の責任であると考えており、
アジア女性基金が行っている今日的な女性問題の解決に向けた諸活動に政府の資金を拠出する等の協力を行ってきたとしております。
次のページをお開きください。3の国連人権フォーラムでの議論としまして、
慰安婦問題に関する日本のこれまでの取り組みに対する評価と考えがございます。
なお、
アジア女性基金はそれぞれの事業が終了したことを受けまして、平成19年3月6日解散発表し、平成18年度をもって解散しております。
以上が、外務省が取りまとめました
慰安婦問題に対する
日本政府のこれまでの施策でございます。
次に、資料3でございます。
日韓首脳会談(概要)をごらんいただきたいと思います。この資料は、日本の野田総理大臣と韓国の李明博大統領の会談内容の概要について、外務省のホームページから転記したものでございます。
平成23年10月19日と12月18日に、それぞれ韓国と日本の相互で開催された会談でございます。10月19日に韓国で行われた会談では、
慰安婦に関する記述はございませんが、(3)において、両首脳は日韓関係には時折難しい問題が起きることもあるが、両国が未来志向の考えのもと、日韓関係全体に悪影響を及ぼすことがないよう大局的な見地から協力していくことで一致したとなっております。
12月18日に日本で行われた会談では、(4)に
慰安婦問題が記載されておりまして、李大統領からは、この問題が解決されればさまざまな問題の解決に資する、この問題の解決のために真の勇気が必要である等、
慰安婦問題の重要性、対処を求める話があった。野田総理からは、本件について我が国が一貫して明らかにしている法的立場に基づき、我が国の立場は御承知のとおりである旨述べた上、これまで我が国は人道面での努力を行ってきたし、これからも人道的見地から知恵を絞っていくことを伝えた。在韓国大使館の前に建設された碑に関して、野田総理から李大統領に、碑の建設は残念なことである旨伝え、早期に撤去するよう求めたとなっております。
以上で、簡単ではございますが説明を終わらせていただきます。
○為
谷義隆 委員長 説明は以上のとおりです。これより質疑に入ります。意見・要望もあわせての御発言をお願いいたします。
◆
石田康博 委員 議論の前に1つ確認をさせていただきたいんですが、前期の
市民委員会で継続扱いになった同様の陳情があったかと思いますが、その経緯をまずちょっとお聞かせいただきたいんですが、事務局にお願いいたします。また、市議会の中で、過去に同様の陳情、請願はあったかどうかもあわせてお聞かせをいただければと思います。
◎柴田 書記 ただいまの御質問についてですが、平成22年8月25日に、「日本軍『
慰安婦』問題について国の誠実な対応を求めるため、
川崎市議会で
意見書の提出を求めることに関する請願」を
市民委員会で審議しており、この際には、
意見書の提出には至らず
継続審査となっております。
また、平成23年3月10日に、先ほどの「日本軍『
慰安婦』問題について国の誠実な対応を求めるため、
川崎市議会で
意見書の提出を求めることに関する請願」と、「『事実無根の』
従軍慰安婦問題への対応について
意見書提出に関する陳情」の2件を一括で審査されております。この際も
意見書の提出には至らず、双方とも
継続審査となっております。
また、平成24年3月8日に、「日本軍『
慰安婦』問題について、
日本政府が韓国政府の二国間協議を受け入れ、誠実な解決を図るために、
川崎市議会で
意見書を採択し、政府に提出することを求めることに関する陳情」が審査されております。こちらにつきましては、結果的には
意見書の提出には至らず
継続審査となっておりますが、議論の中で、正副
委員長預かりという形で、提出者の方とも御相談されるという御発言があり、その結果におきまして、このときに提出されました陳情が取り下げられまして、今回の陳情第67号が提出されたと伺っております。
◆
石田康博 委員 そうしますと、直近では平成24年3月8日に議論がなされて、正副
委員長が間に入って改めて今回の陳情になったということですけれども、そのときの陳情の内容と、今回挙げられている陳情の変わった部分というのは、簡単にで結構ですので御説明いただけますか。
◎柴田 書記 前回の委員会審査の中で、前回提出されていた陳情書の中での謝罪と賠償というような文言についての議論がありまして、それについて今回新たに内容が変えられたものが提出されたものと認識しております。
◆
石田康博 委員 ありがとうございます。わかる範囲で結構なんですが、参考までに、他都市の
意見書の動向の情報がそちらであったら、お聞かせいただけないでしょうか。
◎穴澤 書記 まず政令市についてなんですけれども、こちらにつきましては、札幌市がことしの3月23日に、日韓請求権協定に基づく協議に応じることを求める
意見書というもので提出されています。ほかの政令市につきましては、1月1日以降につきましてはございません。県内16市については、
意見書の提出はないと伺っております。最後に、神奈川県につきましても同様の
意見書は出ていないと伺っております。
◆
石田康博 委員 ありがとうございました。とりあえず結構です。
◆
花輪孝一 委員 なかなか意見、質問が出ないようでございますので。実は今、確認がありましたように、前
市民委員会からの内容等も私ども聞きまして、また、議事でもどういう議論をされたのかも実はいろいろ聞きました。要は、非常にこれはデリケートな問題でもあるし、難しい判断を要するんだけれども、やはり
意見書の提出となりますと、これは言うまでもありませんけれども、全会派の賛同が必要であるということで、どうしてもひっかかる問題としては、賠償という部分が非常にひっかかるということも聞いております。
要は、こちらのほうに2点ありまして、1点目の河野談話に基づき、被害者の尊厳回復に努め誠実に対応することという部分は、先ほど資料の説明等にもありました、当時の官房長官であった俗に言う河野談話と言われている内容が示されていて、それに基づいて、あくまでも被害者の尊厳を一番大事にしながら、その回復に努めるということで、誠実な対応を国に求めているのが1点。もう1つは、これは現在もそして未来も、女性に対する暴力とか
人権侵害という部分が相変わらずあるという実態があるので、その過ちを繰り返さないためにも、次世代にしっかり伝えてほしいという、この2点ということで、前期の委員会の正副
委員長等が御足労いただいて再度提出された内容でもございますので、やはりこれは主義主張とか、政党とか会派という問題ではなく、私どもとしては十分にこの内容については納得できるというか、十分に尊重すべき内容でございますので、これは意見という形になりますけれども、前向きな、過去に継続、継続と続いていますけれども、やはりこの辺である程度結論を出さなければならないのかなということを、まず意見として申し上げておきたいと思います。
◆
斉藤隆司 委員 ただいま委員からもお話がありましたように、高齢化されている方が大変多いということもありますので、やはり急いで陳情の意味を酌み取りたいと思っています。かつて、ここに河野談話がありますけれども、1995年の村山内閣のときもこういったことがあったということを認めているわけですから、皆さんの気持ちをここで、遅いくらいだと私は思っていますが、国のほうに
意見書を上げるべきじゃないかと思っています。意見として。
◆
猪股美恵 委員 ちょっと質問なんですけれども、委員会の中で前回のときに議論になったのが、この問題はもう既に終わったんだということが大きなしこりというかハードルになって、陳情を最終的には取り下げざるを得ない状況になったんだけれども、どうしても私はわからないのは、過去に既に終わっているんだということの事実というのを、どこまで本当に確認をした中で言われているのか、そこをもう少しきっちりとやらないと、そこがとげになっているんですよ。そこで聞きたいんですけれども、かつての日韓請求権協定のときに出されてきていた項目というのは8項目あったと思うんですけれども、どういう項目だったのかちょっと教えてください。
◎松井 人権・
男女共同参画室担当課長 ただいまお尋ねの8項目でございますけれども、読み上げさせていただきます。①韓国より運び来りたる古書籍、美術品、骨董品、その他の国宝、地図原版及び地金と地銀を返還すること。②1945年8月9日現在、
日本政府の対朝鮮総督府負債勘定を決済すること。③1945年8月9日以降、韓国より付替、または送金したる金員を返還すること。④1945年8月9日現在、韓国に本店の、あるいは主事務所のありたる法人の日本にある財産を返還すること。⑤韓国国民(法人を含む)の日本国あるいは日本国民(法人を含む)に対する公債、日本銀行券、被徴用韓国人未収金及びその他の請求権を決済すること。⑥韓国国民(法人を含む)の日本法人の株式またはその他の証券を法的に認定すること。⑦前記諸財産または請求権より生じたるまたは生ずべき諸果実を返還すること。⑧前記返還及び決済は、協定成立後即時開始され、遅くとも6カ月以内に終了すること。以上でございます。
◆
猪股美恵 委員 今の請求権協定の中で出されてきた項目の中に、
従軍慰安婦の記述あるいは原爆の被爆者等の記述等は一切ないんですけれども、この
従軍慰安婦の問題が出てきたのはいつからなのか認識をされているのか示してください。
◎松井 人権・
男女共同参画室担当課長 政府の見解としては、平成5年の河野談話のときに、いわゆる第1次の報告等を受けたときに認識したというふうに認識しております。
◆
猪股美恵 委員 1993年の河野談話のときからという、その河野談話が実態調査をしたのが1992年ぐらいから始まっているんですけれども、それが1991年に、本当に血を吐くような思いで
従軍慰安婦だった方が裁判に出されて、事実が明らかになって、そこからスタートしてきたわけじゃないですか。そうすると、今の8項目、あるいは1965年の日韓協定のときに、こういった
従軍慰安婦の事実をしっかりと把握した上で出されてきていた協定ではないということは明らかじゃないですか。それを、例えば基金でもう済んでいるんだとかそういう話だけれども、基本的なところとして、前回の委員会の中では、日韓協定の中でもう終わったというふうにおっしゃっていた、そこですべて終了しているんだとおっしゃっていたことが、前回の委員会の中でのとげになったわけです。そのことに対して、今まで終わったんだと言っていた自民党は、どういうふうに考えていられるのか聞きたいと思います。
○為
谷義隆 委員長 自民党に対しての質問ということでよろしいでしょうか。
◆
猪股美恵 委員 そうです。
◆
石田康博 委員 答える立場にはございませんので。
◆
猪股美恵 委員 立場というのは何ですか。
委員長、立場というのはどういうことですか。
◆
石田康博 委員 答える立場ではございませんので、返答はできませんということでございます。
◆
猪股美恵 委員 前回の委員会でそのことが言われて、それで謝罪だの、何かを取り下げてという話になってきて、私はどうしても納得がいかないのは、そういう話が流れてきて、全国的には事実――自民党は終わったんだとおっしゃるけれども、何がどこで終わったのかというのはきっちりと答えてもらう義務があると私は思います。前回、それで結局委員会の中で取り下げの話になってしまったんですから、今回はそのことはきっちりと答えてもらいたいと思います。立場にはないんじゃなくて、そういうことを言われたんですから、自民党としての見解を聞きたいと思います。
◆
石田康博 委員 当時の委員がどのような発言をしたかは正確には確認をしていないんですけれども、1965年の日韓基本条約で、国と国との請求権については、韓国が日本に対する請求権を完全かつ最終的に解決したことを確認しているわけであります。したがいまして、私どもは、国と国との交わした条約を自民党は理解していますので、そのような発言になったのではないかと思います。
◆
猪股美恵 委員 今の請求権協定の中で言われている8項目に、
従軍慰安婦の記述はありましたか。答えてください。
◆
花輪孝一 委員 この審査に関しては、今回の陳情に対して具体的に我々が委員としてどのようにしていくのかということを僕はメーンとするべきだと思います。したがいまして、過去にどういう発言があったとか、どうなんですかというような形の議論よりも、むしろ今回出されている内容に対して、どのような見解をしているのかという、そういう前向きな議論をすべきだと思います。
委員長の御判断ですが。
◆
猪股美恵 委員 わかりました。前向きに検討します。
それでは、河野談話というのは、河野さんは自民党だったでしょう。自民党ですよ。それが、かつて1965年で終わったと言っていながらも、そうじゃない、やっぱりこれだけの問題というのは、今なお解決していない問題なんだから誠実に対応していきましょうよ、そして今後も、起きていた事実というのをきっちりと忘れないで、二度と同じことを起こさないためにみんなで知恵を出しましょうよということが言われてきたわけじゃないですか。
だから、今言ったように、かつて終わったというそこに立脚しないで、やっぱり本当にあった事実というのはだれもが認めていることですし、それに前向きな話をすれば、川崎市は富川という姉妹都市と長い間、20年近くつき合ってきているんですよ。私、恥ずかしながらなんですけれども、これは竹間委員も写っているんだけれども、1996年ぐらいに富川にお招きいただいて、正式に向こうの議会との交流の中で話をしてきた。そういう富川との交流を議会としても進めてきた中で、富川にも
従軍慰安婦の方がいらして、3人いらした方が今はもう1人になってしまった。富川では、御存じのように議会としての決議を上げられましたよね。そのときに、岡山市と川崎市が姉妹都市なんですけれども、そこへメッセージが出ているんです。ぜひこの決議に対して声を上げてください、そういうメッセージが来ているわけなんです。そうですよね。前回の委員会のときにもその資料を出されたんですけれども、富川からのメッセージが届いているんです。
私たちも日韓何とか議員連盟というのをつくって、日韓の理解、協力をしてきましょうよといって20年ぐらい富川とつき合いをしていながら、向こうの議会として決議を上げてくださいよと言ってこられているにもかかわらず、いや、そんなものは過去に終わっているんだからと、それで本当に日韓、あるいは富川との議員協力というか、そういう姉妹都市が成り立つのかなというふうに思うんです。そのことについて、この委員会の中できちっと議論してほしいなと思うんです。これはこっちの理事者の話ではなくて、こちらで、議会同士の問題として考えてほしいと思うんですが、意見があったら出してもらいたいと思うんです。
◆
小田理恵子 委員
慰安婦とされた方々の苦しみというのは、私も同じ女性として非常に理解できます。それでちょっと質問したいんですけれども、今の
慰安婦という対象なんですけれども、今の韓国のお話がかなり多く出ているんですけれども、もちろんインドネシアとかオランダとか、そういったいろんな国の方々がいらっしゃると思うんです。そういった人たち全員に対しての陳情だと認識しているんですが、その認識でよろしいんですね。
その上で聞くんですけれども、今の
市民委員会の資料を見ますと、この中で河野談話が出て、その後、おわびということで
アジア女性基金で対応されてきたというふうな御説明を受けています。ですので、政府としてはもう対応してきましたよという回答になっているんだと思うんです。だとしたら、なぜこれが出てきているのかというところが何でなのかなというところで、この女性基金で何が足りなくて、どうしてこういう話になっているのかというところについてちょっとお聞かせいただきたいんですけれども。
◎横山 人権・
男女共同参画室長 この件に対する理由という点ですので、願意についての理由については、こちらから答えづらい点があります。ただ、一般的に、例えば韓国の
慰安婦の方たちがなぜこの
アジア女性基金の償い金を受け取らなかったかということに関しましては、この基金の原資がいわゆる国民からの寄附であったというところで、これは国による正式な謝罪ではないということで、この
アジア女性基金の償い金を受け取らなかったと伺っております。
◆
小田理恵子 委員 再度質問させてください。そうすると、
アジア女性基金事業に対して異を唱えていらっしゃるのは韓国の方だけなんですか。お答えいただけないなら結構です。
◎横山 人権・
男女共同参画室長 申しわけありません。手元に詳細な資料がありませんので、お答えできません。
◆
小田理恵子 委員 そうすると、大変勉強不足で恐縮なんですけれども、納得できる解決というのは具体的にどういったものなのかなというのを知りたいと思うんですね。その点がちょっと。
◆
猪股美恵 委員 痛みがわかるのであれば、同じ女性として痛みがわかるということであれば、おのずから、もし自分がそうだったらばというふうに考えたときに、どうあるべきかという答えもそこから出てくるんじゃないかと私は思っているんです。ちょっと質問なんですが、前回の議会で拉致被害に対しての、北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決を求める
意見書というのを
全会一致で提出したんですけれども、その拉致ということと、
従軍慰安婦というのはどう違うのか、ちょっとそこを答えてもらえますか。
◎横山 人権・
男女共同参画室長 慰安婦問題に関しましては、これは日本の朝鮮統治下における戦時下で起きた問題であると思います。北朝鮮による拉致問題については、平成14年日朝首脳会談を契機として明るみに出たというところでは、おのずから問題の背景は違うものではないかと思っております。ただ、人権の観点ということで申し上げますと、いずれもやはり体験は悲劇的なものであるというふうに思っております。人権にかかわる問題であると考えております。
◆
猪股美恵 委員 拉致、自分の意思に反して強制的に連れ去られる。この河野談話の中にも、ほとんどが本人の意思に反して、あるいは強権をもって被害を受けたんだということでいえば、
従軍慰安婦の人たちも、自分の意思に反して連れ去られ、そして戦争が終わった後も、辱めの中で自分の親、兄弟のところに帰ることができずに異国の地で亡くなっていく方たちというのがたくさんいるわけではないですか。これを拉致というふうには言わないんですか。
◎横山 人権・
男女共同参画室長 慰安婦問題の今までの政府見解等の中で、拉致という言葉は使われておりません。北朝鮮の拉致問題に関連して拉致という言葉が一般的に使われ始めたのは、やはり平成14年の日朝首脳会談の前後に、拉致問題ということで、誘拐の中の一つとして拉致という言葉が使われてきたと考えております。
◆
猪股美恵 委員 この
従軍慰安婦も誘拐ですよ。だまして連れていったり、強権をもって連れ去っていく。私は、北朝鮮の拉致の問題というのは本当に許しがたいことだと思っています。横田さん御夫妻もいらっしゃるけれども、そういうことだけではなくて、ある日、例えば自分の本当に愛する人が突然連れ去られてという、同じなんですよ、同じ。誘拐だし、拉致なんですよ。そうすれば、川崎市の議会で
全会一致で拉致に対してのこれだけの
意見書を出したということであれば、私は
従軍慰安婦に対して
意見書を出していくというのは、内容は変えてもいいですよ。拉致に関して同じようなことなんだということでかまわない、出してほしい。同じことなんだと私は思うんですけれども、議論していただけませんか。
◆
織田勝久 委員 2006年、平成18年に
アジア女性基金の事業が一応終了したということで、一点の区切り、けじめというふうにはなっているんですけれども、国際世論の中では、それをどういうふうに認識をしているのか。
アジア女性基金を解散した後の2007年、平成19年に、例えばアメリカの下院では、日本軍は女性を強制的に性奴隷にしたことを公式に認め、謝罪するよう
日本政府に求める決議と、そういうものを採択したと聞いておりますけれども、それと同様の議決が、関係した各国でと聞いているんですが、そのほかの事例について把握されていれば、ちょっと教えていただきたいんです。アメリカの下院以外でも同様の決議がされているということがあれば、ぜひちょっと教えていただきたいんです。
◎松井 人権・
男女共同参画室担当課長 海外での決議等の状況ということの御質問だと思います。平成19年7月30日にアメリカ合衆国におきまして、アメリカ合衆国議会は、
慰安婦に対する
日本政府の謝罪を求める内容ということで、下院121号決議を採択しています。それ以外ということでございますが、平成19年9月20日に、オーストラリア上院、
慰安婦問題和解提言決議、同じく平成19年11月20日オランダ下院の
慰安婦問題謝罪要求決議、同年11月28日のカナダ下院、
慰安婦問題謝罪要求決議、同年12月13日、欧州連合の欧州議会本会議、平成20年3月11日にフィリピン下院での外交委員会で、同じく平成20年11月5日、台湾立法院における決議等が出されているところでございます。
◆
織田勝久 委員 それから、平成21年、2009年にも国連で何らかの議論があったと聞いていますが、それについてはどうですか。
日本政府に勧告がなされていると仄聞しておりますが、御存じですか。
◎松井 人権・
男女共同参画室担当課長 今の委員のお話ですと、2009年、ILO条約適用勧告で出されたものだと思います。2009年3月6日、国際労働機関ILOは2009年年次報告書の中で、専門家委員会は、戦時中の
日本政府の29号条約、強制労働条約違反に触れて、政府が近い将来、年老いた強制労働の生存被害者が訴えている請求にこたえる措置をとることを望むと勧告したと伺っております。
◆
織田勝久 委員 国と国との関係ということの中で、さっき石田委員おっしゃいましたけれども、日韓基本条約というものは確かにある。これは確かに厳然とした事実だと思います。また、
アジア女性基金という事業もして、河野談話に基づいてされて、一定の対応、取り組みもしてきた。それも事実だろうと思います。にもかかわらず、残念ながら、
アジア女性基金解散後に、各国また国民を含めてこのような意見表明、決議をされているということも事実だと思います。
さっき花輪委員がおっしゃったみたいに、市議会としても何らか一定の区切り、けじめといいますか、そういうことができればいいなというのは個人的な思いではあるんですけれども、特に富川市のほうも2009年に意見、決議をされているということも含めて、これについては、同じく富川市の友好都市になっております岡山市議会が非常に上手だというと失礼かもしれませんが対応されています。
意見書となりますと、これは国に意見を出すということでありますから、
意見書ではなくて決議ということで、
慰安婦問題の解決など、現在なお残る課題について解決に向け最大限の努力を進めていくという、穏当な表現ではありますけれども、そういうことで決議をされているわけです。
ですから、
意見書となりますと市議会の場合は
全会一致となりますので、なかなかハードルも高いということの中で、必ずしも
意見書ということにならなくても、一定の問題意識が共有できれば、決議というような形の議論もできればいいのかなというのは、個人的な思いでありますけれども、ぜひ正副
委員長に提案を申し上げたいと思います。
◎柴田 書記 今御発言のありました決議ですけれども、こちらにつきましても委員会で
全会一致が原則となっておりますことを御説明させていただきます。
◆添田勝 委員 意見というところで、これは本当に、先ほど花輪委員からお話があったように、会派とかグループの枠を超えて、自分の政治家としての姿勢といいましょうか、そういう思いも踏まえて意見を言わせていただきたいんですが、私は3つの点で若干慎重に考えるべきなんじゃないかと思っています。
まず第1は、国と国との問題という前提がある中において、やはり国家間の議論に対して、それを地方で議論を深めるということが果たして適切と言えるのかなというところが、まだ自分の中で回答が出ていないということが1つ。2点目が、やはりよく言われる外交の継続性というものは重く考えなければいけないんじゃないかと思っています。政府見解として、先ほど石田委員からもお話がありましたけれども、日韓基本条約で解決済みという政府見解は、外交の継続性という観点で、そこも変えるというのは極めて慎重な議論が必要なんじゃないかと思っています。3つ目として、史実の確認というところなんですが、これは質問なんですけれども、2005年に韓国政府が、先ほどの日韓請求権及び経済協力協定の実際の議事録を2005年に公開したと思うんですが、その中で、
日本政府は韓国の個人の方に対して賠償するということを
日本政府として申し出ているんですが、韓国として、それは国家間の賠償であって、日本が韓国という国に賠償をする、そして韓国国内で個人の方の賠償をするというような発言をしているということが、協定の議事録の中で2005年に公開されているはずなんですが、それは御確認されていますか。確認されていなければそれで。
そういうことが1つ確認されていることと、あと、2009年ですけれども、ソウル行政裁判所の情報公開の中で、国家間における賠償をしてくれということを韓国側から日本側に申し入れているということが言われていて、その解釈として、
慰安婦の問題というのは、当事者の方を思えば本当に心中はいかばかりかと僕ももちろん思ってはいるんですが、賠償を韓国政府のほうに逆に求めるべきではないかというような解釈をしている学説ももちろんあるんですね。ソウル行政裁判所が、国家間の賠償であって、日本から個人への賠償ということは韓国のほうからは当時拒否しているというような外交記録があるので、それを踏まえると、やはり私は、このお話というのはもうちょっと慎重に考えるべきじゃないかと思っています。
◆
猪股美恵 委員 今の意見に対してなんですけれども、地方から2国間の問題についてということでいえば、議会として、尖閣何とかの問題だとかさんざん今までもたくさん出してきて、しかも、全国的には40近い自治体が
意見書なり、決議なりというのを出してきているということでいえば当然のことだろうと思うし、しかも、川崎は富川との議会としての、あるいは都市間のそういう協定を結んでいる中で、一方からそういう要請が来ていることに対してこたえていくということも非常に重要な地方外交の問題だろうと私は思っています。
それから、継続性というところでいえば、決して日韓協定のところを否定しているわけではなくて、日韓協定のところはそのまま継続していけばいい話。ただ、そのところに出てきていない話なんだ、だからこそ国際的にも問題にされてきているんだというようなことがあるので、決して継続性を否定しているものではないと思いますので、合意さえとれれば、川崎の議会として、ある意味では富川からのメッセージにこたえていくというところで、何とかこの委員会の中で、
意見書あるいは決議でもいいです、出していけたらなと思います。それがやっぱりお互いの都市間の姉妹都市なり、あるいは議会の、日韓何とか協定という議連もつくったりしていることの1つの意義じゃないのかなと思いますので、よろしく。
◆添田勝 委員 おっしゃるとおり、地方から国に尖閣の問題も含めて意見が出ているというのは確かにそのとおりだと思います。ただし、この件については、やはり私はもうちょっとちゃんと煮詰めて判断をすべきだと思っていて、それは外交の継続性を、委員は否定しているわけではないとおっしゃいましたが、場合によっては否定をしているというふうに受けとめられかねない可能性もあるから、私はもうちょっと熟慮したほうがいいんじゃないかと思っています。
◆
岡村テル子 委員 意見表明だけ申し上げたいと思います。私も
従軍慰安婦に関する本なども読ませていただいたことがあります。
本人たちの意思に反してこういったことがあったということで、本当に胸を痛めた次第です。河野談話にあるように、重要なことは、このような歴史の事実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。我々は
歴史研究、
歴史教育を通じて、このような問題を長く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明するというくだりがあるんですけれども、まさに
歴史研究、
歴史教育を通じて、ずっと日本はその過ちを繰り返さないというメッセージを出し続けなきゃいけないのかなと思います。ドイツもやはり戦争の過ちを認めて、あえてそれをずっと、これで終わりということではなくて、永遠にナチス・ドイツの過ちとかそういったことをずっとメッセージを出し続けるということを聞いたことがあります。そのようにやっていかなければいけないのかなと、そういった意味で、決議なり、
意見書の提出ということも大事なのかなと思います。意見表明だけ申し上げました。
◆
斉藤隆司 委員 この陳情の中、今また再度読んだんですけれども、最後にあります1番、2番の内容については当たり前だと私は思うんです。最後の1つは、河野談話に基づいて誠実に対応してほしいということですね。2つ目は、女性に対する暴力、
人権侵害をこれからも続けさせないようにやってほしい。この2つの内容というのは、だれもが当たり前だなと思うと思うんですね。ですから、この内容を見ますと、やはり常識的だし、だれもが納得できるんじゃないかと思うんです。ですから、何とか陳情者の皆さんの気持ちを酌みたいなと思っています。
◆
青木功雄 委員 時間もあることなんですけれども、もし
委員長がお許しいただければ、平成22年8月から3つ継続できたと。先ほど委員から、会派に直接御質問いただいたんですけれども、この部分が非常にポイントになっているというようなことを御指摘いただいて、その部分で、直接私もその日は委員会に出ていた委員じゃないんですけれども、どのあたりがポイントになった御質問だったのかという議事録の部分を、差し支えなければ、二、三取り上げて、議会局のほうで読み上げていただくことは可能なのか御検討いただきたいんですけれども。
○為
谷義隆 委員長 今この委員会でですか。
◆
青木功雄 委員 はい。日韓基本条約の部分で幾つか我が会派から質問させていただいていると思うんですけれども、その部分を取り上げていただくことは可能なのかどうか御検討いただけないですか。どのような議事録があったのかということ、どのような質問があってというところ、こんな質問があったので、そこがポイントだったというお話があったので、どのような質問があったのかということを、議事録を取り寄せて延長してもいいんですけれども、お持ちなのかなと思いましたので。読み上げていただくことは可能なんですか。
取り寄せたりすると長くなりますから、やっぱり今のは結構です。
◆
織田勝久 委員 たまたま僕は議事録を持っていて、拝見もさせてもらっているんですけれども、このとき浅野委員がいろいろ発言されているんだけれども、そこの部分だけ差し支えなければ読むよ。そんなに実は多くないんですよ。もし差し支えなければ読みますよ。逆に
委員長に読んでいただいてもいいし。そんなに正直、8月はそういう意味での踏み込んだ議論というのは実は余りしていないんです。
○為
谷義隆 委員長 よろしいですか。
◆
青木功雄 委員 はい。
◆
石田康博 委員
取り扱いについて、踏み込んで発言してもよろしいんでしょうか。今回の陳情の要旨なんですけれども、国が誠実な対応をすることを求める、そんな内容の
意見書をということで言われているんですが、私は国がこれまで誠実でない対応をしてきたとは決して言えないのではないか、しっかり誠実に対応してきているのではないかという思いをいたしておりまして、例えば1965年の日韓基本条約で、当時1,080億円を賠償している、この事実もございますし、1995年から始まった
アジア女性基金には、
日本政府として総額7億円の支出もしている。こういった財政的な支援も既に行われていて、この女性基金については1人200万円の償い金もお渡ししている。そして、当時の小泉首相もおわびの手紙をそれぞれの対象者に対して出している。このようなことも事実としてあるわけですから、これを誠実な対応として私は理解していますので、さらに
川崎市議会として誠実な対応を求めるような
意見書を上げるのはどうかなと考えておりますので、今回は
意見書を出さないということでおまとめいただければと思っております。したがって、今回の陳情についてはみなし不採択ということでお願いします。
○為
谷義隆 委員長 取り扱いについて踏み込んだ意見も出ましたので、
取り扱いについての各会派の御意見をいただけたらと思います。
◆
花輪孝一 委員 大変残念ではありますけれども、自民党のほうでそういうお話が出る以上は、各会派共通のとならなかったわけなんですが、ただ、我が会派の意見を言わせていただきますと、冒頭もお話をしたんですけれども、あくまでも賠償の金額とか、賠償そのものではなく、やはり精神的なことも含めて女性の人権という部分については、我が会派としては最大限に尊重すべきだと。きめ細かい部分も含めて、さらに御努力を政府にはお願いしたいということもあるということと、それから、先ほど未来志向の話もあったんですけれども、現在この問題に限らず、
人権侵害、女性に対するいわゆる心の暴力も含めてそういうものがあるので、その実態についてきちんと次世代にこの事実を伝えていくということについては、私どもとしては今後もあらゆる機会を通じてやっていくということを、この場で表明させていただきたいと思います。残念ながらみなし不採択ということでありますので、そうせざるを得ないかなというのが、今の状況でございます。
◆
織田勝久 委員 さっきちょっと提案申し上げたんですけれども、一定の取りまとめのタイミングということも含めて、
意見書が難しければ決議というようなことができないのかどうか、そこの議論のお諮りができないかということ。それから、不採択とおっしゃったんですが、前回は内容については継続となっていますので、不採択とするのはちょっといかがなのかというのがありまして、これはとりあえず意見という形でまだ申し上げたいんですが、決議という議論は納得できませんでしょうか。そこをぜひお諮りしたいんですけれども。
表現については、この陳情の願意文面のとおりでなくてもいいと思うんですが、そういうことも含めて、特に岡山の決議等を参考にしていただいてちょっと検討いただけないかどうか、これをお諮りしたいんですが。
○為
谷義隆 委員長 今の御意見は、あくまで意見として。
◆
織田勝久 委員 そうです。決議ということは、国に上げるということではないんですよね。
○為
谷義隆 委員長 今、織田委員から別の形で決議というお話が今出ておりますけれども、それに対して御意見はいかがでしょうか。
あと、議会局、もう一度確認なんですけれども、仮に決議というものを行った際も、やっぱり全会派一致ということでよろしいんですよね。
◎柴田 書記 整理させていただきますけれども、
意見書につきましては、公共機関、国ですとか、他地方自治体に対して議会としての意思表明をするものになります。決議に関しましては、
川崎市議会としてこのような意思を持っているという、その意思表示になります。いずれも委員会として提出する場合には、
全会一致での提出が前提となります。
◆
竹間幸一 委員 手続的にはそういうことだと思うんですけれども、せっかく織田委員から提案があって、岡山の経験に学ぶ必要があるんじゃないかという提案だったと思うんですね。より柔軟な手法で議会としての意思をあらわすという形で、陳情者の願意に沿うことはできないのかという前向きな提案だと思いますので、私どもとしても積極的に受けとめたいと思いますので、ぜひみなし不採択の前に、そういう可能性を追求することはできないのかどうか、皆さんの御意見を伺えればありがたいなと思います。
◆
花輪孝一 委員 先ほど、そういう意見を申し上げましたけれども、織田委員からそういう御提案もありましたので、決議という部分でもし一致するのであれば、私どもとしてはその決議でも全く問題ないと思いますので、よろしくお願いいたします。
◆
石田康博 委員 織田委員から大変いい提案だとは思うんですが、先ほど申し上げましたとおり、私どもは、河野談話やこれまでの政府見解を支持してきていますので、
意見書同様に決議も乗れないということで御理解をお願いいたします。
○為
谷義隆 委員長 ほかの会派の方、御意見ありますでしょうか。
◆
猪股美恵 委員 私も、この
意見書を出してほしいという内容というのは、本当にこれでいいのかなと思うんだけれども、自民党が下の2項目、過ちを繰り返さないために今なお存在する女性の暴力云々を伝えていきたい、こういうことは、だれもが異議の出るものではないし、ここでおさまりがつくのであれば、私もこの項目で了解はしたいと思います。議会の富川との関係とか、韓国と川崎の関係だとかいうところを考えると、否決はないだろうし、不採択はないだろうし、この2項目めは異論ないと思うんですけれども、この範囲ででも出せないですか。私も80歩譲ってそれを言っているんですけれども。
◆
石田康博 委員 先ほど申し上げましたとおり、河野談話の内容がすべてですので、改めてここで、2項目ありますけれども、
川崎市議会で改めて議会の意思としてそういうことを言うまでもないということでございます。
◆
猪股美恵 委員 そうだけれども、河野談話でも、後世に伝えていかなければいけないんだということをおっしゃっているわけじゃないですか。それで、それができていないから
意見書を出すというのではなくて、そのことを今なお大事なことなんだという意思を川崎の議会として出していく。決して河野談話を否定する話でもなければ、河野談話が言っていることがとても大事なことだからこそ、この議会としてそのことをきっちりと伝えていく必要があるよねという意思を示すということでもだめなんですか。否定するものじゃないんですよ。
◆
石田康博 委員 先ほど申し上げたとおりでございます。
○為
谷義隆 委員長 いずれにしましても意見が分かれている状況でございます。そうしますと、まず、今回の
意見書に対して、またこの陳情に対しての委員会でもございますので、まずもって
意見書に対しての表明を引き続き行っていただけたらと思うんですけれども、よろしいでしょうか。
◆
猪股美恵 委員
委員長、私はまだあきらめ切れていないんだけれども、例えば女性への暴力、
人権侵害というところについて、非常に重要なことなんだということで、その中に、かつてこういうこともあったんだという話を入れながら、
人権侵害に対してのこれからの取り組みをしっかりとやってくださいよということでもだめですか。
◆
吉沢章子 副
委員長 そうすると、この陳情の趣旨と変わってくるんじゃないですか。
◆
猪股美恵 委員 変わらない。
◆
吉沢章子 副
委員長 慰安婦問題について国が誠実な対応をすることを求めるために、
川崎市議会で
意見書を採択しということなので、女性に対する
人権侵害ということが大項目なわけじゃないじゃないですか。私たちももちろん、女性に対する
人権侵害、暴力というものは現在も続いていますし、大きな問題だと認識していますし、それは撲滅すべきだと思っております。その立場は変わりません。そしてまた、
慰安婦の方々のお気持ちも本当に重々承知しているところでございますけれども、やはり国益というところにかんがみますと、地方の私たちの個人の意見ではないと思うんです。国益にかかわること、特にまた今韓国は選挙も近いですし、
慰安婦問題を逆に国論、世論として盛り上げているところもありますし、私はむしろ政争の具に女性問題が使われることのほうが怒りを覚えていると、これは私の個人的な意見なんですけれども。ですから、
猪股委員がおっしゃっているのは、話がすりかわってきてしまっているように私は感じるんです。ですから、あくまでもこれは
慰安婦問題に国が誠実な対応をすることを求めるために、
川崎市議会で
意見書を採択して、政府に提出することを求める陳情ですから、その立場に、私ども自由民主党として立ちますと、やはり国益を損ねることに対して何らかの意思表示をすることはできないというのが、私ども政党の見解でございます。
◆
猪股美恵 委員 趣旨に沿わないんじゃなくて、女性の性暴力なりという中に、かつてこういうことがあったんだということを盛り込んでいく。タイトルは違うにしても、そういうことがあったんだということを踏まえて、二度と繰り返さないというふうに持っていく――私は今まで、さっきも写真を見せたように、富川に正式に招待されて、それ以後ずっと富川との関係を築いてきた者として、やはりあちらが出してきているメッセージに対して私はこたえていきたいと思っているからこそ、99.9%譲って、女性の暴力、
人権侵害というものを前面に出しながら、
従軍慰安婦のかつてのことを、記述を載せていくという形ででもいいから出してほしいと思っているんです。
◆
吉沢章子 副
委員長 私が答えるのかどうかわかりませんけれども、そうすると、お話が別の
意見書という話になってくるんじゃないですか。今回の
慰安婦問題についての陳情第67号とはまた違う話に私はなってくるかと思うんですけれども。今ここで、しかも、陳情者の方々の了解を得ないで変えるということも、今の委員会としてはそこまでの権限はないと思いますが。
◆
猪股美恵 委員 それでもいいかどうかを陳情者に問うてくださいよ、正副
委員長で。もしそれでもいいというのであれば。だって、この2項目めというのは、まさにそのことをグローバルに言っているんです。
◆
織田勝久 委員 私はさっきから決議、決議と申し上げているんだけれども、しつこくて申しわけないんですが、3月19日の岡山市議会は、日韓両国の新たな100年をつくる決議というタイトルになっていて、この願意がやんわりと入っているんですね。だから、そういう意味でいくと、確かに願意のとおりということではなくなるんですが、もし正副
委員長で一たん受けていただいて、陳情を出された皆さんとそこの趣旨を確認していただくということが可能であれば、それはぜひやっていただけるとありがたいと思います。
いずれにしても、確かに国益という話も広い意味では多分出てくると思うんですが、それよりもむしろ
猪股委員が言われるように、人権、差別というような問題の視点は大事かなと。それからあと、河野談話も私はそれなりに誠実に対応されていると思っているんですが、河野談話の最後のところにも、政府としても今後とも民間の研究を含め十分に関心を払ってまいりたいということが書かれていますから、その延長線上で、ちょっとやんわりと御理解いただければいいのかなというのが私の思いでございますので、これは私個人の意見であり、提案であるんですが、何とかお諮りいただけるとありがたいと思います。
○為
谷義隆 委員長 ほかの委員の皆様の御意見はいかがでしょうか。
◆
花輪孝一 委員 ここで採決してどうだということはなかなか厳しいものがあると思うんです。意見ですけれども、今せっかく織田委員からの提案でもありますし、先ほど自民党のほうから国益というお話もありましたけれども、やはりここは決議というレベルであれば、国に対して直接どうせいこうせいの話ではありませんから、そういうことも含めて、もう一度そういう趣旨も含めて継続的にまた取り扱っていくという形が一番いいのではないかと。採択、不採択というレベルではなく、そういうような形でいかがでしょうか。正副
委員長には大変御足労をかけるわけですけれども、そういう形での今の御提案、私どももそのような内容でよろしいと思います。
○為
谷義隆 委員長 いろいろな御意見をいただきましたけれども、今回の陳情の
取り扱い、審査に関しましては、この内容についての
取り扱いをまずしなければいけないところでございまして、先ほど、内容を少し変えて正副
委員長で話してはどうかというお話がありましたけれども、それは今この場で諮るのとは別の話になってきてしまいますので、まずこの場の委員会におきましては、この内容の陳情に対して
取り扱いをしたいと思うところでございます。
◆
織田勝久 委員
取り扱いは
取り扱いでいいんだけれども、陳情に対しての
取り扱いはいいんだけれども、今後どうするかということの議論ができて、その方向性があれば、この陳情に対しての具体的な意見表明はできると思いますけれども、これの意見表明で委員会としても1つ結論をしてもらった後から、テーマについて継続審議とはならないでしょう。だから、そういう意味で、私はさっきからしつこく決議決議と申し上げているのであって、そこは丁寧に議論してくださいよ。私は、それぞれの会派の御意見を否定しているんじゃないんだから。ただ、花輪委員もおっしゃったように、何とか前向きに議会としての一つの意思表明をするタイミングではないのかということで申し上げているわけで、こういう言い方は語弊があったら申しわけないですけれども、余りとんがった議論にしたくないんです。できれば、皆さんで合意がいただける部分でやんわりと何とかできないかということで、さっきから決議決議と申し上げているので、そこはぜひ酌んでいただけるとありがたいなと。大変申しわけないんだけれども。
○為
谷義隆 委員長 決議という御意見が先ほど来出ておりますけれども、決議についての御意見をまだ発言されていない会派の御意見はいかがでしょうか。
◆
小田理恵子 委員
意見書に関しては、非常に国対国で重たい部分で慎重に考えるべきだと思っているんですけれども、先ほど織田委員からありましたように、決議という形であれば考慮する部分はあるのかなと思っています。
ただ、岡山県ので1点気になるのが、日韓という形で、日本と韓国の2国間という形になっているんですけれども、そうではなくて、
慰安婦というのはいろんな国の方がいらっしゃるので、すべての方にというところはぜひ御検討いただきたいというのは、御意見として出させていただきたいと思います。その上で、前向きな未来に向けてのすべての女性のためにという形なのであれば、私は検討する価値はあると思います。
○為
谷義隆 委員長 少し表現の内容を変えて決議を考慮する方法はいかがかという御意見でありましたけれども、それに対してまたいかがでしょうか。
◆
斉藤隆司 委員 そもそもですが、この陳情は、
市民委員会で議論して
意見書を上げてほしいという要望なんですよね。ここで我々が議論して、
意見書を決議に変えちゃっていいものなんですか。陳情の内容を勝手に変えてしまっていいんですか。
○為
谷義隆 委員長 今回の委員会に関しては陳情の審査でありますので、それに関しては、まず一たんこの陳情に対しての委員会としての答えは出さないといけないと私も考えております。
そうしますと、今意見がいろいろ出ているという状況の中で、ただ、この
意見書に関しましては、自民党、公明党も、
意見書に関しては出せないという意思表示をされております。そうしますと、いずれにしてもこの
意見書に関しましては今回提出できない状況であると私は思っております。
ただ、
取り扱いに関しては――議会局、もう一度確認なんですけれども、陳情自体の
取り扱いに関しては、
意見書を出さないという結果になっても、
取り扱いの内容、先ほどもみなし不採択という御意見がありましたけれども、これを例えば継続にするということは可能でしょうか。一応、念のため確認します。
◎柴田 書記
意見書の提出についての各会派の御意見を確認していただきまして、
全会一致の場合には提出、
全会一致にならなかった場合には提出に至らずということになりまして、その後に、この陳情自体の
取り扱いについて御議論をいただくような形になろうかと思います。その場合におきましては、先ほど自民党からみなし不採択という御意見がございましたけれども、こちらに関して、委員会の中で皆さん御同意されるようでございましたら、そのような形で結論が預けられると思いますし、そうでなければ、また中で御議論いただければと存じます。
○為
谷義隆 委員長 わかりました。そうしますと、
意見書の提出は全会派一致が原則でございますので、この陳情の
意見書に関しては、この内容では出さないということで、まずもって御了解願いたいと思っております。
次に、陳情自体の
取り扱いを行いたいと思いますので、また御意見を各会派いただけたらと思います。
◆
猪股美恵 委員
取り扱い以前に、この
取り扱いは
意見書を出すという話だけれども、今の議論の中で、議会として決議を上げましょうよということが一致できるのであれば、これの
取り扱いが諮られるんじゃないかと思っているので、例えばちょっと休憩をとって、決議のところでどこで一致ができるのかとか、本当にだめなのかというのを一度話をしたらどうかなと思うんですけれども、
取り扱いの前に。
◆
竹間幸一 委員
取り扱いということですから、自民党はみなし不採択ということを表明されているわけですけれども、この陳情の
取り扱いについては、私どもは継続ということでお願いしたいと思っているんです。その上で、民主党から提案された決議の可能性ということについては、正副
委員長で御足労願って、陳情者の皆さんがそういうことでもいいのかどうか、それを聞いた上で、もう一度この委員会で議論をすべきではないかと考えています。
○為
谷義隆 委員長 今、陳情自体は継続にして、先ほど来出ている決議に関しては、陳情者の方と議論するという話もありますけれども、それに対して御意見は。
◎柴田 書記 繰り返しになってしまうかもしれませんが、決議に関しましても全会派一致が前提となりますので、今、自民党から、決議に関しましても賛成しかねるという御意見が出ている状況の中で、今後陳情者の方との話し合いとかということも含めまして御検討いただければと存じます。
◆
織田勝久 委員 竹間委員からのお話もございますので、一たんちょっと休憩をとっていただいて、扱いについては私どもも継続というふうにならざるを得ないと思うんですけれども、ぜひ決議の部分で、さっき小田委員からもあった日韓両国というテーマに限らず、対象の国名はもちろんふやしていただいてもいいとは思うんですが、そのようなことも含めて、ちょっと御議論を自民党の内部でやっていただけるとありがたいかなと思うんです。そういう意味で、休憩をとっていただくのはどうですか。そんな長い時間いただかなくてもいいと思うんですけれども、せっかくの機会だと思いますのでぜひお願いできるとありがたいと思います。
○為
谷義隆 委員長 今、短時間の休憩で協議といいますか、お話という御意見がありますけれども、休憩をとること自体はよろしいでしょうか。
( 異議なし )
○為
谷義隆 委員長 それでは暫時休憩したいと思います。
午前11時59分休憩
午後 0時15分再開
○為
谷義隆 委員長 それでは、委員会を再開したいと思います。
まず、先ほどいろいろ御意見、お話が上がっていたんですけれども、まず論点といいますか、進行を整理しますと、まず陳情第67号に関しましては、この内容での
意見書は出さないということになりました。
その後、複数の委員の方から、違う内容での決議というものを委員会としてまず諮ってみたらどうなのかという御意見が出ました。この決議なんですけれども、基本的に
全会一致というのが原則であるということになっておりまして、一応、念のため、議会局、その認識でよろしいでしょうか。
◎柴田 書記 決議に関しましても、
意見書と同様に全会派一致によって委員会から提出という形になりますので、反対されるところが1カ所でもありますと、提出には至らずということになります。
○為
谷義隆 委員長 そうしますと、本来陳情の
取り扱いをこの後行うわけですけれども、その陳情の
取り扱いの前に、この決議を行うべきか否かについて、まずこの中で諮らせていただきたいと思います。先ほど自民党から態度表明されていましたけれども、再度、決議というものに対しての意思表示を各会派のほうからしていただけたらと思います。
◆
花輪孝一 委員 まず、決議という形に変えていいかどうかの話を陳情者にしていないわけですよね。今の段階では当然していないし、せっかくの御提案があったんですから、大変御足労ですけれども、正副
委員長でこういう
意見書の提出のことではあったけれども、委員会の審議の中でそういうような御提案があったんだけれどもということが1つということ。それからもう1つは、やはり非常にこれは大事な問題で、また今、団会議等々がそれぞれ各会派でできるかわからないんですけれども、そういうこともあるので、扱いという部分については、まずは決議云々ということをやる前に、まずは陳情者に確認するのが1つと、もう一つは、しっかりと議論をするという意味でいま一度各会派へ持ち帰って、そういう段取りでやらないと、この場で決議がどうのこうのとするのは、意見表明もありましたし、いろんな意見が出ましたけれども、決議の内容はまだまだこれからの話でもありますので、ここはそのような進め方のほうがいいのではないかと思うんですけれども。
ちょっと言い方が悪かった。要するに、とりあえずきょうは継続という形で、皆さん方、各会派よろしければそういう形でやって、またなるべく近いうちに、陳情者の意向等も踏まえながら、また決議案をもし出すとすれば、どのような内容がいいのかも含めて、きちんと考えた上で、協議した上でという形のほうがいいのではないかということで、御意見として申し上げさせていただきました。
○為
谷義隆 委員長 つまり、全く別の議論ということですよね。決議というものに関しては、陳情者の意向もまず聞いていない段階でもあるということで。
◆
花輪孝一 委員 もう1回言いますが、陳情者の意向等も踏まえながら、きょうのところで決議がどうだこうだという決議の内容までの議論というのはなかなか厳しいものがあるのではないかと。とりあえずは、まずは継続という形にしておいて、再度その辺のところについては皆さん方で協議をしていくということでどうかなという提案です。
◆
竹間幸一 委員 賛成。
◆
猪股美恵 委員 賛成。
◆
石田康博 委員 改めて私どもの意見を申し上げますが、決議というのは
意見書と同様に、議会の意思を表明する重要なものでありますので、決議には、私どもは賛同しかねるということで、扱いについてもみなし不採択をお願いいたします。
○為
谷義隆 委員長 そうしますと、自民党としては、陳情に関してみなし不採択ということと、ほかの会派は基本的に継続という御意見です。そうしますと、決議に関しては、きょう今ここで議論というのはこれ以上難しい状況であると考えます。
ですので、「陳情第67号 『
慰安婦』問題について国が誠実な対応をすることを求めるために
川崎市議会で
意見書を採択し、政府に提出することを求める陳情」につきまして、
継続審査とすることに賛成の方、挙手をお願いいたします。
( 賛成多数 )
○為
谷義隆 委員長 挙手多数ですので、本件は
継続審査といたします。
そうしますと、決議という話についてはまた別の話ということで、また別の機会での議論ということで。
◆
猪股美恵 委員 その間に、正副
委員長が陳情者に会ってどうなのかという意思を確認してもらっておく必要があるんじゃないですか。それをもとにしての再開という形になるのではないかと思います。
○為
谷義隆 委員長 まず、委員会として決議に関しての話なんですけれども、今、自民党が決議に関しては反対であるという意思表示をされている以上、全会派一致でないと決議は出せないという原則があるものですから、その決議を今後どうするかということを、今ここで……。
◆
猪股美恵 委員 決議というのは勝手に私たちが言っているだけの話で、陳情者にそのことを問うていないわけだから、まずそのことを問わなきゃいけないでしょうというための継続だと今言っているわけじゃないですか。
○為
谷義隆 委員長 取り扱いに関しては継続ということにしましたし、現状、決議というものに対して全会派一致でのコンセンサスがとれていないという状況だと思います。
◆
花輪孝一 委員 もう一度確認します。結局、あくまでもこの陳情は
意見書を政府に提出するという陳情なので、これは
全会一致ですからだめだったと。ただ、今御提案があって、当然タイトルから中身から変わるわけなんだけれども、まずそれを陳情者に全然確認していない。我々が継続と皆さん手を挙げたのは、もちろん内容によりけりだと思うんだけれども、とにかくこの内容については
意見書はだめだけれども、決議書という御意見が出て、このようなものだったらどうでしょうかということを実際に陳情者とよく話し合っていただいて、正副
委員長には御足労なんですけれども、その上で御提案いただいて、それでなおかつ合わなかったらだめだと、そういう話になると思うんですが。手順的にはそういうふうに思うんですが。
◆
猪股美恵 委員 さっき不採択か継続かというところで、継続は賛成多数になって、その内容は今回そういう話になってしまっているので、一度陳情者に問うて、持ち出した上で改めて決議については採択というか、賛否を問う形になる、それが手順じゃないですか。
◎柴田 書記 今回の陳情第67号につきましては、先ほど花輪委員からお話のございましたとおり、
意見書に関しましては提出に至らず、また陳情の
取り扱いにつきましては継続ということで先ほど結論が出たところでございますけれども、今お話に出ております決議に関しましては、この陳情第67号にかかわるものではなく、
市民委員会として提出されるかどうかのお話し合いを今後するかどうかということになるかと存じます。
ですので、今話の中に出ている陳情者とのお話し合いということに関しましては、今後決議を出す、出さないという議論になった場合に出てくるお話とはちょっと別になるのかなと思っているんですけれども、そこにつきましては御確認をいただければと存じます。
◆
猪股美恵 委員 この委員会でそれを決めているんだから、別にいいじゃないですか。
◎柴田 書記 委員会で決めたので、陳情者の方にお話を伺って、それをもとにして決議を出したい、そのための議論を今後したいということであれば結構かと存じます。陳情第67号に絡めてということでの話し合いであれば、ちょっと別なのかなということで一言申し上げた次第でございます。
◆
猪股美恵 委員 議論の流れの中で、そういうことを考慮しながら陳情第67号については判断しましょうよということだから、いいんですよ、柴田書記、これで。
◆
花輪孝一 委員 揚げ足をとるわけじゃないんだけれども、この陳情は陳情で、先ほどずっと議論したわけですよね。したがって、この陳情を踏まえた上で、まさに陳情第67号という形じゃなくて、一度取り下げて新たな陳情になるかもしれませんけれども、いずれにしても、陳情第67号のきょうの議論の経過を、申しわけないけれどもお伝えいただいて、それで、せっかく前向きにそういう決議書という御意見もあったので、こういう御意見もあったんですけれどもいかがですかと聞いていただいて、まずは陳情者の意向をよく伺うということが、これは正副
委員長にお願いするしかないんですが、まずそこからスタートしないと始まらない。これはもう終わったよ、継続ですよというのではちょっといかがなものかと私どもは思うんですけれども。
○為
谷義隆 委員長 これを踏まえた上での経過を御報告して、その中で議論をしていくというプロセスを経ることについて、各会派の皆さんの御意見をいただければと思うんですが、いかがでしょうか。
◆
織田勝久 委員 ぜひ陳情者と正副
委員長で会っていただいて、願わくはぜひ、自民党が決議はときょうはおっしゃっているんだけれども、その中で、どういう部分の文言調整とかで決議ということもあり得べしかどうかの議論も逆にやっていただけるとありがたいという思いも込めて、一度、陳情者と正副
委員長と会っていただいて、きょう傍聴されている方もいらっしゃるからわかると思いますけれども、一応委員会としてのきょうの段階の経過はこうなんだということも含めて、あと意見交換をちょっとしていただけるとありがたいと思います。
○為
谷義隆 委員長 ほかに意見はございますでしょうか。
◆
竹間幸一 委員 それに尽きているんじゃないですか。
◆
吉沢章子 副
委員長 整理させていただきますと、今織田委員からは、決議かどうかも含めてというお話があって、自民党の立場で言わせていただければ、決議は
意見書よりも重いという私どもの団の立場がございまして、決議に関しては乗れないということがありますので、私は正副
委員長の立場としてお話をさせていただきますが、いただいたものが決議である以上、次の委員会でうちはノーと言わざるを得ない今段階でございますので、そこも含めて皆様とお話をしていいものかどうか悩ましいなと思っております。決議であるという前提であっては、自由民主党としては乗れないということですから、今織田委員がおっしゃった決議かどうかも含めてというそこの微妙な言い回しですけれども、決議以外でそれが出せる方法があるのかどうか。そうしないと、逆に伺っても非常に申しわけない結果になってしまうんじゃないかと思って、時間をただ引き延ばすだけになってしまうのではないかということを危惧しております。逆に、ほかに何か御意見があればお知らせいただきたいと思いますが。
◆
織田勝久 委員 それぞれの会派の考え方があるので、それに対してどうこうということはもちろん言いません。ただ、逆に申し上げたのは、陳情者と会っていただく中で、思いの部分をつないでいただいて、現段階では自民党は決議は出せないよと、それはそれで会派の立場としてそういう考え方があっていいと思いますけれども、その中で、そのお話を受けた後で、逆に文言調整とかの中で、決議という部分に自民党が乗れるかという議論はあり得ないですか。
◆
吉沢章子 副
委員長 正副
委員長の立場で言えば、皆さんの委員会の総意であればそれはやりますけれども、ただ、自由民主党の立場としては、それをいたずらに引き延ばして、またノーと言わざるを得ない結果になるんじゃないかと思って危惧しております。ただ、委員会の総意として、そうであれば私どもは正副
委員長として真摯に皆様とお話を聞くことはできるかなと思っております。それを皆さんでお諮りいただければと逆に思いますが。
○為
谷義隆 委員長 一度、正副
委員長でお話を伺うということについては、皆さんよろしいでしょうか。
( 異議なし )
○為
谷義隆 委員長 それでは、今回の経緯を踏まえてお話しする場を設けたいと思います。
それでは、この案件については以上とさせていただきます。
傍聴の方、お疲れさまでございました。審査は以上でございます。どうぞ御退席ください。
(
傍聴者退室 )
○為
谷義隆 委員長 ここで理事者の退室をお願いいたします。
( 理事者退室 )
───────────────────────────
○為
谷義隆 委員長 次に、その他として今後の日程につきまして御協議をいただきます。
協議の結果、8月22日(水)、24日(金)に開催することとした。
───────────────────────────
○為
谷義隆 委員長 その他、委員の皆様から何かございますか。
◆
織田勝久 委員 1点済みません。例の北部市場の駐車場の問題なんですけれども、多分視察の日程をいずれ入れていただけるんだと思うんですけれども、駐車場を今後どうするか、具体的な区画割りと料金の話と、できればこういうふうになりましたという事後報告を受けるのではなくて、経過の段階で委員会に1回報告が欲しいんですね。これについては、行政サイドが自主的に変えるということではなくて、議会サイドの指摘に基づいて直すということですから、やっぱり経過についての報告が1回あってもいいと思うので、そこをぜひ経済労働局のほうと議論して、一度そういう機会をつくっていただきたいんですけれども。
○為
谷義隆 委員長 それに関しては、日程等の兼ね合いもありますので、正副
委員長で相談させていただきます。
◆
織田勝久 委員 結論が出る前に一度お聞きしたいんです。結論が出てしまうと、そこでいろいろやりとりしても、経済労働局は経済労働局で、これで一歩もまかりならんみたいになってしまうし、できれば結論が出る前に議論させてもらいたいので。非常に大事なテーマだと思いますので。
◆
吉沢章子 副
委員長 委員会を開催してほしいということですか。机上配付での説明ではなくてということですか。
◆
織田勝久 委員 ぜひぜひお願いします。
○為
谷義隆 委員長 それは日程の調整等もあると思いますので、後ほどということで。
ほかに何かございますでしょうか。
( なし )
○為
谷義隆 委員長 それでは、以上で本日の
市民委員会を閉会いたします。
午後0時39分閉会...